こんにちは
やまさきです
そろそろ梅雨が顔を出しそうな時期になるそうですね。
先日は新幹線が豪雨の影響で止まってしまって大変だったそうですね。
そんな中でもたまたま乗っていたキンコンの西野さんがこれまたYahoo!ニュースに載るようなことをして湧いたそうですね。
私は傘を差すのが嫌なので、なるべく早く過ぎ去って欲しいと願うばかりです。
さて、今日はこれまた読書感想文のようのものを書きたいと思います。
前回はミヒャエル・エンデの「モモ」を題材に書きました。
『モモ』に興味のある方、ない方問わずCheck! ↓
今回は、ミヒャエル・エンデにまつわる『エンデの遺言』を読んでみた感想なんかをチャチャッとまとめてみます。
『モモ』は時間に関すること、『エンデの遺言』はお金に関することが書かれています。非常に興味深かったです。
それではどうぞ。
「エンデの遺言」ってどんなの?
「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と,株式取引所で扱われる資本としてのお金は,まったく異なった種類のお金である」。こう語りかける本書は,NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」を1冊の本にまとめたものだ。
ドイツの作家であるエンデ(故人)は,「個人の価値観から世界像まで,経済活動と結びつかないものはない。問題の根源はお金にある」と提起する。エンデへの取材をもとに,彼の蔵書,貨幣社会の歴史を紹介しながら,現代の金融システムが引き起こす弊害に警鐘を鳴らすのが本書の目的だ。
本書では,事例や寓話を取り上げて,貨幣経済の仕組みと問題点を分かりやすく説明している。
(引用)https://www.amazon.co.jp/エンデの遺言-―根源からお金を問うこと-講談社-α文庫-河邑/dp/4062814196
ということで、本作は本当にお金とは一体どういうものなのか、どういう機能を果たしていて、どう人間に依存しているのかなど、根源的なところから思考する内容となっています。
ある程度、歴史に関する知識がないとスラスラと読みにくいと部分があります。
お金という概念が生まれた時代から振り返ることでそもそもお金って?というところから話が展開されており、考える機会になります。
エンデは常にお金とはという問いをしてきた方であり、それはエンデの他作品にも実は影響しているみたいです。
ということは、まるで私のお気に入りである伊坂幸太郎の小説のように他の作品にもチョロと同じ登場人物が出てくるみたいに、エンデの作品を読んでいると、「あ、これって、、」と思うはずです。
実は「モモ」にもそのエンデが常に考えていたことが隠されているみたいですが、それは「モモ」を読んでから「エンデの遺言」の順に読むことを強くお勧めします。
じゃあお金って、、
お金には3つの機能があります。(高校の政治・経済の授業のようですが)
1. 価値の保存機能。簡単のいうと、お金は紙からできていることから絶対と言っていいほど腐らないですよね。
ということは、世に存在する価値というものを半永久的に(厳密にいうと貨幣価値が変化するという視点もありますが)セーブすることができます。
2. 交換機能です。お金がない時はどうやって過ごすかというと物々交換で暮らすという手段が列挙されると思います。
物々交換はお互いのニーズとそれに値するリソースが一致した時に成立するものです。現代において、その物々交換の間に介在しているものがお金です。個人間での物々交換ではなく、社会全体においての物々交換をこの際私は指しています。
3. 価値の尺度機能です。
私にとってはこれはすげえ価値のあるもんだって言ったって主観だからわかんないじゃないですか。これを一般に定量化したものがお金にあたります。
なんかわけわかんねえよって方はこちらのリンクをCheck↓
お金というのはあくまで人間が生み出したものに過ぎません。
実社会でうまく機能しているために利用されているだけで、その概念を取っ払えば別に異なった手段でお金と同じ機能のあるものを使ってもいいわけです。
お金に対する様々な捉え方
お金は本質的な価値創造の役割をなしていない
本書ではお金にまつわる様々な観点を展開しています。その一つに
お金は本質的な価値創造というよりも、環境が搾取されて破壊されるという否定的な面を見ると、我々は将来を輸入して、今を生きている。
という文章がありました。この輸入っていう表現がしっくりきていいなって思いました。つまるところ、生産的な活動ではないのではという疑問を表現した一文ではないのではと私は思います。今あるものを刈り取り、未来のことは気にもせずに消費するという行為。このことの疑問を抱いたのでしょう。
お金を持つ者と持たない者
お金を持っている人とあまり持っていない人の2者存在するとします。持っている人はお金を保存しておくことが可能なため、常に価値を持ち続けている状態になります。一方、持っていない人は生活をするためにお金が必要になります。お金がなければ餓死してしまうので、借りる選択をします。お金を持っている人は余裕があるので、持っていない人に貸すことができます。しかし無償で貸すことは何の得にもならないので利子をつけて貸すでしょう。この「利子」というものに否定的に本書は見ています。
お金自体は発行することは無限ですが、価値は有限性があります。利子はそもそも何から由来しているというと、この貸し借りに対して関係を持っています。
お金自体なければ利子なんぞ存在しないし、この持つ者と持たない者の構造自体が生み出したものになります。
地域通貨の重要性
地域通貨はコミュニティ意識に非常に貢献する優れものです。その通貨はその地域で価値を持つものとなり、それは消費活動においては地産地消にも影響を与えます。また、それは他の通貨と異なるためその地域に属しているという帰属意識にもつながるでしょう。総合すれば、影響力を持っているものになります。
感想
普段、意識しない思考をしたというのが読み終えたすぐに思ったこと。当たり前であると捉えていたものが、少し視点を変えてみればこんなところに弊害があったり、別の方法で利用すれば莫大な影響力を持っていたりと、考えさせられました。
最近ミニマリストの本を読んだこともあり、【お金を人よりもたくさん持っている=幸せ】が必ずしも正解ではないとも思うようになりました。
お金に依存せず、本質的な豊かな生き方とは、などどんな価値観が素敵なんだろうと考えるきっかけになりました。
以上です。
今回の本↓
最後までお読み頂きありがとうございます。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
やまさき